■「過去問とストップウオッチ」
■岡部 三雄 さん
■はじめに
平成16年度と17年度は、実力不足による納得(?)の不合格でした。3年目となった18年度は、「今年こそは」という思いで、間違いカードとストップウオッチを使って過去問を中心に勉強し、なんとか合格することができました。その方法をご紹介することで、これからの合格を目指している受験生の皆さんに、少しでもお役に立てれば幸いです。

■過去問をカードに
過去問の重要性は、本試験の解説や受講ガイダンス、授業の中でも繰り返し指摘されています。けれども、私自身の中で、本当にその重要性を理解できていなかったのが、これまでの不合格の大きな原因であったと思います。「今年は、過去問と心中する!」そんな気持ちで、過去問と取り組むことに決めました。
条文順過去問題集は、何度もやっていると、前後の問題などから、なんとなく正答してしまうことがあります。それを何回繰り返しても、本当に知識が付いているかどうか分かりません。順序がバラバラでも確実に正答できるようにするために、“間違いカード”を作りました。3回続けて正確に論点を指摘できなかった問題をカードに書き写し、その裏には解説だけでなく、自分が何と混同して間違ったのか、その原因を探し出し、簡単な表なども作って書き込みました。横断整理というやつですね。
このカード作りには、とても時間がかかりました。条文順過去問題集の中で間違えた問題をすべてカードにできたのは、5月の連休前でした。その後は、答練や問題集や模試で間違えた問題を、またカードにして追加していく。3回続けて正確に答えられたカードを抜いていく。これを繰り返し、徐々にカードの数を減らしていきました。こうして作ったカードは、全部で1,500枚を越えました。
■ストップウオッチを使って
問題文を読むのに時間がかかる。私にとっては、大きな悩みの種でした。過去の模試や本試験で、時間内にすべての問題文を読み終えたことが一度もありませんでした。そのために落とした問題が、必ずいくつかありました。「トイレ休憩で気分転換」など、時間がもったいなくて、とてもできませんでした。1点が大切な本試験で、これは私にとって合否を左右しかねないことでした。
そこで、時間短縮の訓練をするために、問題を解く時には、常にストップウオッチを使うようにしました。それまでも、腕時計などで時間を測ってはいたのですが、腕時計などで測ると、どうしても甘くなっていました。ストップウオッチをカチッと押して解き始めると、頭の中にサッと緊張感が生まれます。過去問や練習問題を解くときに、1問なら20秒、1ページに5問あれば2分。8問あれば3分、5肢択一なら2分30秒。などというようにして、いつも時間と戦うように心がけました。
これは絶大な効果がありました。昨年の中間模試や最終模試では、問題文をすべて読み終わっても、まだ1時間ほどの余裕がありました。本試験でも、「トイレ休憩」をとってもまだ30分ほどの時間を残し、見直しの時間をとることができました。私にとっては、初めての経験でした。
今までは、択一式問題の3時間半というのは、マラソンのような長距離走であって、疲れないようにペース配分をどうするか、と言うことを考えていました。でも、違っていたと思います。2分半の短距離走の繰り返しだったのです。毎日のストップウオッチを使った訓練で瞬発力を鍛えることにより、1問2分半のダッシュを70本繰り返すことができる持久力がついたのだと思います。
■おわりに
社労士試験の合否を決めるのは、最後は、「運」であろうと思います。見たこともない問題。正答なしの問題。W正答かもしれない問題。そのような問題に振り回されて1点を失えば、「撃沈!」になりかねません。平成18年度本試験では、選択式社一は2点、択一式厚年は4点でした。どちらかを1ヵ所でもミスしていれば、今年の私の合格はありませんでした。「運」が良かったのだと思います。
けれども、ランダムにやってくる「運」ではあるけれども、少しだけ自分のほうに手繰り寄せることが、今年はできたのではないかと思っています。それは、毎日の勉強に対する姿勢にあったのではないか。受け身ではなく、積極的に「問題をやっつけてやる」という強い気持ちを、毎日持ち続けた。そこが、これまでとは決定的に違っていた所であったように思います。3年目にして、ようやく受験生らしいものになれたのかな?という思いがしています。
最後に、この1年間私のモチベーションを持続させてくれた、後藤静香という人が書いた「第一歩」という詩をご紹介して、私の合格体験記とさせていただきます。机の前に貼り付けて、毎日読み返していたものです。ちなみに、この詩は、ボストン・レッドソックスに入団した松坂大輔投手も座右の銘にしていたそうです。
第一歩
後藤静香
十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
三笠山にのぼる第一歩
富士山にのぼる第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
どこまで行くつもりか
どこまで登るつもりか
目標が
その日その日を支配する
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