選択式の「健康保険法(2点)」と択一式の「国民年金法(3点)」には、試験センターのHPで自分の名前を見つける瞬間まで苦しめられましたが、天佑神助があって、やっと合格出来ました。会社を退職して社労士試験合格を目指しましたが、4年もかかってしまいました。合格に漕ぎ着けられた4年目の学習についてお話いたします。
T.私の学習法〜徹底した復習の鬼
1.日々の学習について〜受講と復習
日曜コースに通学し、前列の席を確保するため朝早くから並び、講義をカセットテープに録音しながら板書を写し、要点をノートに書き込みました。
翌日以降、録音テープを聞きなおし、板書事項、チャート、講義中の細かい指摘事項をワードでまとめなおしました。復習に重点を置いた学習法は、講義中に聞き漏らした事項を拾い上げることができ、曖昧な箇所の発見と補強には効果があったと思います。また、この作業を通じて、完成度の高いノートが残り、このノートは本試験直前まで役に立ちました。
しかし、この学習法は、勉強時間を十分に取れる場合は可能ですが、以下の大きな欠点がありますので、お仕事をしながら勉強される方には不向きと思います。
【1】膨大な時間がかかり、日曜日1日分の講義の復習に対して約20〜25時間を必要とすること。
【2】知識の確認と定着という目的が、事務的に録音テープを聴きノートを作成することにすりかわり、安易な達成感に浸ってしまうこと。
私を含め講義を録音される受験生は多いですが、自分で録音したカセットなりMDの活用が十分に出来ないのであれば、予習・復習には別売の講義カセットを活用して、講義中は、全身を耳にして講義に傾注した方が効率的と思います。
予習は、別売の講義カセットを聴きながら一読し、その後過去問を使って、これまで該当箇所が、どのような表現、論点で出題されているかについて確認しながらテキストを読み込みました。
2.問題演習〜テキスト読み込みを優先
問題演習は、学習リポート、答案練習ゼミ、短期集中ゼミの付録問題で対処し、全科目を3回繰り返しました。過去問は予習段階と同じ進め方で予習時の1回目を含め、これも全科目3回行いました。
問題演習の回数としては少なめですが、ひたすらに正解までも憶えてしまうほど同じ問題集を繰り返し、「自分は出来る!」と錯覚することを怖れたことによる判断です。機械的に問題集を繰り返すよりは、少しでも多くの時間をテキストの隅々まで読み込むことに充てようとしました。問題集の問題は、あくまでも論点整理のための問題ですから、本試験で同じ内容の問題が出題されることを期待して、問題演習に軸足を置いた学習を進めることは危険であると思います。
U.敗因の研究〜「合格だけを考える」前に
4年目の学習を再開する前に、「何故、合格出来ないのだろうか」と、自分の学習方法、生活態度について見直しを行いました。また、自問自答だけでは手前味噌となりますので、学習に進め方について先生に相談し、学習に充てることのできる時間、学習環境等、何もかもありのままを全部お話して、具体的なアドバイスを頂きました。結果、復習重点主義の学習方法に自信を持つことが出来ました。
また、科目別の講義が終了した時点(5月上旬頃)にも、再度、先生に相談して本試験までの学習方法について、軌道修正を行いました。
V.公開模試について〜たかが模試、されど模試
最終模擬試験はもちろんですが、LECの公開模試を3回全部受けました。3回全部受けた理由は、LECとして考える学習の進度と全体を通じたストーリー性を考慮し、また、受験者数が多いことに信頼性を感じたからです。
模試には、机の上にはシャープペンシル、消しゴム、時計、受験票のみの、完全本試験モードで臨み、時間配分、解答順等の実験と確認をしました。
私の解答順は、選択式は、最初の「労働基準法」から順番に進めますが、択一式は、「一般常識」から始めて、「健康保険法」、「国民年金法」、「厚生年金保険法」、「労働基準法」、「労働安全衛生法」、「徴収法を除く労働者災害補償保険法」、「徴収法を除く雇用保険法」、最後に「徴収法」としていました。これは、択一式が開始される直前まで労働経済の数値を眺めていて、開始早々に出題されていれば解答してしまおうと考えたことと、一般に社会関係は、問題文の長い労働関係より取組み易く安定した得点が期待できるからです。もっとも本試験では、この作戦は、「一般常識(8点)」、「健康保険法(7点)」ではうまく行きましたが、「国民年金法」と「厚生年金保険法」はまったく裏目に出てしまいました。
選択式については、「水モノ」と腹をくくり、各科目3点以上であればOKとしましたが、条文、施行規則からの出題は、確実に得点することを目標としました。
公開模試を受けるか受けないか、迷うところですし、その活用法についてもいろいろな考え方があると思います。しかし、私は、公開模試は貴重な演習の機会、真剣勝負、ベストの体調で全力をあげて取り組み、本試験同様に脳ミソに汗をかいて、1点の失点もしないで、1点でも多く得点する気概で臨むべきと考えます。

W.合格に向けた戦略〜less than worst
自分の試験の点数を、「何点得点したか」と考えるか「何点失点したか」と考えるかで、勉強の姿勢がずい分と違ったものになります。私は、確認テスト、答案練習ゼミ、公開模試において、正解率50%以上の問題を間違えたときは、これを「失点」とみなして「何故、正解できなかったのか」について分析と対策を徹底的にやりました。
今年の本試験においてI.D.E.社労士塾のHP上で公開されている復元解答の集計結果からも正解率50%以上の問題を失点していなければ、「選択式・厚生年金保険法」を除いてですが、合格圏内の点数を積み上げることができます。私的には、今回の試験の勝負の別れ目は、「選択式・厚生年金保険法をいかに凌いだか」であったと思います。
しかし、神ならぬ身、本番での失敗はよくあること。対策として、模試の択一式の合計得点と全体の順位にこだわり、最低で50点、受験者総数上位5%以内を目標にして学習を進めました。高水準を目標とした理由は、「less than worst」の事態を想定したものです。
本試験では、自己ベストを更新して合格される方も多いと思いますが、私は本番に弱く、普段どおりの力がでれば「御の字」で、簡単に自己ワーストを更新してしまうタイプです(予想どおり本試験は択一式43点を喫し、最終模擬試験の択一式54点/70点、12番/458人中の私にしてはワースト記録となりました)。この自己分析から、通常のレベルをかなり高くしておいて、本試験に臨んでは、「最高でも合格、最低でも合格」を戦略としました。
X.最後に〜「わかる」、「できる」、「よくできる」
テキストの内容がわからなければ(理解できなければ)話になりませんから、先ずは、しっかりと理解することは当然として、次のステップは、その知識を使って問題を解くことが「できる」までに知識の定着を図ることです。しかし、ただ「できる」ではなく、知識の応用と活用による「よくできる」レベルまで到達していないと、安定した得点は期待出来ません。
そのためには、学習を進めていく上で、自分に適した学習方法を見定めることが大切と思います。鉛筆をにぎり実際に書く、声に出して読む、テープを何回も繰り返し聴く、それらを組み合わせる等々、試行錯誤はあると思いますが、一度腰を据えて、自分はどのような学習法により、活用できる知識としての定着が図れるか、見極めることをお勧めいたします。
今にして思えば、合格までの3年間は、「できる」から「よくできる」レベルまで引き上げるための努力が不足していたと思います。
短い期間の学習で、スッと合格する方がいることは事実です。しかし、合格された受験生の多くは、苦しくても心が折れないで学習を続け、最後に天の味方があって合格するのだと思います。
長い受験勉強の辛さを存分に味わった私であればこそ、自分に適切な学習法を見極めて、諦めず切に努めれば、必ず『天佑神助』があると信じています。
以 上
2004年12月15日了
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