厚生年金保険法
第54条 障害厚生年金の支給停止 労働基準法との関係
Q:質問内容
「労働基準法の規定による障害補償を受ける権利を取得したときは,6年間,その支給を停止する」とあります。また労災保険法によれば,同一の事由により労災保険と厚生年金が支給される場合は障害補償年金が一定の率で減額されるとあります。もともと労基法に事業主の責任として補償義務が規定されており,それを受けて労災保険法が規定されていると思います。実際に業務上災害が起きた場合は,労災の障害補償年金(減額)と障害厚生年金(減額なし)が給付され,6年間停止というのはないということでしょうか。
A:お答えします
ご見解のとおりです。
一般的には,労働基準法上の災害補償が行われることはありません。休業補償については,休業補償給付の待期3日分についてのみ,事業主が労働基準法上の災害補償を行うことはありますが,それ以外は,通常はありませんね。ただし,法律条文上は,個人経営で5人未満の農林水産業のうちの一定のもの以外は,労働者を1人でも使用すれば労災保険は強制適用ですが,現実には適用していない会社もかなりあり,特にサービス業関係は多いでしょう。このような場合は,労働基準法上の災害補償が行われることもあり得ます。法律ですから,わずかでも可能性があるものは規定しているというわけです。
したがって,この部分は,単純に労災保険法の障害補償年金等であれば併給(労災側を減額),労働基準法の障害補償であれば障害厚生年金を6年間停止というように覚えておくだけでいいと思います。平成12年の本試験では,国民年金法からも厚生年金保険法からもこの部分が集中的に出題されました。現実にはほとんどあり得ないようなものであっても,条文上に規定があると出題されてしまうので困りますね。
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