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「制裁規定の制限 減給の繰り越し」

労働基準法第91条
「制裁規定の制限 減給の繰り越し」

Q:質問内容

就業規則の制裁規定の制限について,一賃金支払期に複数の事案が発生したとして,減給の制裁をする場合,一賃金支払期の10分の1を超える定めをした場合は,無効となるのは理解できますが,通達にある「10分の1を超える部分の減給は次期以降の賃金支払期に繰り越しできる。」という部分がよく分かりません。



:お答えします

例えば,平均賃金が10,000円,一賃金支払期における賃金総額が300,0000円の労働者の場合で説明しましょう。

この場合,
 1回の事案については平均賃金の1日分の半額 10,000円×1/2=5,000円
 一賃金支払期における減給の総額 300,000円×1/10=30,000円
が限度となります。

この労働者が,平成30年1月に減給の制裁に該当するような違反行為を10回行ったとした場合, 1回の事案×10回=5,000円×10回=50,000円まで減給できますが,減給の総額は一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならないという制限が適用されますので,1月分の賃金から減給できるのは30,000円が限度になります。ただし,30,000円を超えた分の減給を免除するという趣旨ではありませんので,残額の20,000円は,翌月分(2月分)の賃金から減給することになります。

つまり,一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超える減給は制限されるので,10分の1を超える違反行為は何回やってもいいのだというような考え方を法律が後押しするということはありません。労働基準法第91条の趣旨は,減給の制裁に該当するような違反行為を複数回行った場合に,その減給の総額分を同じ時期に賃金から差し引いてしまうと,その月における労働者の経済生活に支障が出るため,これを制限しているだけなのです。

したがって,一賃金支払期における減給の制裁事由が複数回に及んだ場合の減給の総額が,一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えた場合は,その超える部分の減給は,次期の賃金支払期における賃金から減給することになります。

このような内容を就業規則に規定することは,労働基準法第91条にも抵触しませんので,有効です。


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