テキストをまず通読してから精読するように言われましたが,通読はなぜ必要なのでしょうか
通読をしておかないと精読が苦痛になるからです
「木をみて森をみない」という言葉を知っていますか?細かいことばかり気にとられ、全体をとらえることができない人のことです。取るに足らない細かいことばかり気にしていると物事の本質がわからなくなります。物事の本質がわからないと目的が見つかりませんから,いつも遠回りすることになります。社会保険労務士の試験にもこのことは当てはまります。個々の細かい事項ばかり気にしているうちは,法律の全体像を把握することができません。個々の細かい事項を積み上げていって,仮に全体像が見えるようになったとしても通常「時間切れ」です。
学習というのは,個々の事項が有機的につながっていることがわかってきて初めて楽しくなるものです。先に全体像をとらえておくと、個々の細かい学習もそれほど苦にならなくなるのです。
先に全体像をとらえる作業が「通読」です。目次をみるだけでも「通読」の効果があります。細かいところで立ち止まる必要はないのです。初学者の方はまずテープを聴いてみるのもよいでしょう。先に全体像が見えれば興味がわきます。興味を持つことは学習上のモチベーション維持にとって重要なことです。
時計を作るため歯車を組み合わせていく作業は楽しいものです。しかし,何が出来上がるのかわからないのに歯車を組み合わせているだけだと単なる「単純作業」です。単純作業は決して楽しいものではありませんよね。「精読」はある意味,単純作業に似ています。この単純作業を積み上げて物事は完成します。ただし,それは「時計」を作るという目的がわかっている場合だけです。設計図もなく単純作業をしていても時間が過ぎていくだけです。
過去問題を解くことは必須といわれましたが,いつどのようにして取り組めばよいのでしょうか
基本書を1章読み終えたらすぐに解いてみましょう。
テキストを通読して,講義やテープを聴いてみて,そして精読をしてみて…。でも本当に知識が定着しているのかどうか不安ですね。聴いただけ,読んだだけではなかなか知識として定着しません。ひとつひとつ「確認」をする必要があります。この「確認」のための最も優れたツールが過去問題です。
この場合,1章分の学習をしたらすぐに過去問題に取り組んでみましょう。すぐに解いたら全部解けちゃうのじゃないの?大いに結構。全部解けちゃっていいのです。明日もあさっても全部解ければよいのですからね。
それに例えば,基本テキスト1冊読み終わってから取り組もうとすると「最初の方」は忘れているでしょう?空っぽの頭でうんうん考え込んでも時間の無駄です。かけ算の九九を覚えていない小学生に方程式の問題を解かせているようなものです。
実は,「あとからまとめて」過去問題に取り組もうとするとインプットの学習とアウトプットの学習がうまく連動しないのです。過去問題はあくまでも「確認」のためのツールです。
それから,すぐに解いてみるもうひとつのメリットがあります。社会保険労務士の試験対象となる法律は非常に多く,また法改正が頻繁に行われ,また,複雑に構成されているため,学習の方向性を間違ってしまうと,非常に無駄な学習を強いられることになります。学習の際に,基本テキストと過去問題は常にペアで準備し,こまめに本試験の傾向を分析しながら進めていくと,学習の無駄を省くことができます。また,単調になりがちな「精読」も過去問題を組み合わせることにより,学習にメリハリをつけることができます。
新傾向の問題は過去問題では対応できないのではないでしょうか
「新傾向」は巧みなアレンジの場合が多いのです
確かに新傾向に見える問題は見受けられますね。しかし,実際にそうでしょうか?作問者としては,あまりに独創的な問題を作ってしまうと、誰も気がつかないミスが発覚したりするおそれがあるので,通常,そのような冒険はあまりしないはずです。もし皆さんが「本試験問題を作ってくれないか」と頼まれたらどうします?まず,書店に走って,「労働法全書」を買いますか??通常は,過去問題集を買うでしょう。ただし,まったく同じ問題を作るわけにはいきませんね。だったら,うまくアレンジをするはずです。実はこのアレンジがうまくいった問題が「新傾向」の問題だったりするのです。
「基本テキスト→過去問題→解説→基本テキストの再チェック」のサイクルを章単位で小刻みに繰り返す学習ができていると,一つの論点を様々な角度からみることができるようになるため,アレンジのネタはすぐにわかるようになります。「基本書の説明」と過去問題集の「誤りの理由」「参考」の3つが有機的につながってくると視野が広がり応用力がついてきます。応用力がついてくれば,出題の趣旨が判断しにくい問題が出題されることが多い年金科目の対策にもなります。
そのほか過去問題を解くときの注意点は何でしょう
必ず「誤りの理由」を書き出しましょう
過去問題集を買ってきて,ドリルブックのような使い方をして,正答の数だけで満足していては意味がありません。過去問題をたくさん正答したからと言って実力がついたことにはなりません。各肢の○×なんてすぐに覚えてしまいますから…。本試験会場では,限られた時間内で瞬時に出題の趣旨を読み取り,誤りを見つけ出していく能力が必要となります。
そのためには,すべての設問肢について,正誤判断ができ,かつ,すべての誤りの設問肢について,誤りの理由が指摘できるようになって初めて本試験に対応できるようになります。この力をつける最もよい方法が,「誤りの理由」を書き出す訓練です。問題を解いたら,ノートなどに正誤をチェックし,誤りの問題であれば,その理由を書き出してみましょう。そして,解答解説に載っている誤りの理由と比較してみるのです。たまたま正答したのかちゃんと理解して正答したのか常にチェックをすることが必要です。
誤りの理由を書き出す訓練は,「キーワード」を手で書き目で確かめる学習ですから,選択式対策としても効果的です。それから,誤りの理由を書き出したら,それらは捨てずに残しておきましょうね。理解度の進捗を確かめることができます。
「条文順過去問題集」の特徴は?……練習問題としても補助教材としても使える問題集です
基礎マスターゼミの基本教材である「条文順過去問題集」は,過去問題を練習問題として取り組んでいただけるようにするだけではなく,基本テキストの補助教材としても利用できるようになっています。過去問題の1肢1肢について,条文順に配列し直していますので,テキストの学習進行にあわせて,過去問題のチェックや分析が行えます。また,学習の効率化を図るため,解答解説は巻末ではなく,見開き形式とし,左ページに問題,右ページに解答解説を掲載してあります。通勤途中などであってもスムーズに学習に取り組むことができます。
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