健康保険法
第63条3項 療養の給付 保険者等が指定する病院等
Q:質問内容
過去問題集No.122(H19.10C)について,健康保険組合である保険者が開設する病院は健康保険組合直営病院であり,健康保険組合直営病院は,基本的には一部負担金を徴収しない(規約により一部負担金を徴収することは可)ことになっているため,正解は「×」ではないでしょうか。
A:お答えします
問題文を見てみましょう。『保険者が指定する病院等における療養の給付については,保険者が健康保険組合である場合には,規約で定めるところにより,一部負担金を減額し,又はその支払いを要しないものとすることができる。』です。
まず第一に注目するのは,「保険者が指定する病院等」の部分です。ここでマスターテキストのP84下段の法63条3項の1号〜3号をみてください。この中の2号には次のように規定されています。「特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院もしくは診療所又は薬局であって,当該保険者が指定したもの」と規定されています。
つまり,問題文の「保険者が指定する病院等」というのは,この法63条3項2号の病院等を指すことになります。この2号の病院等は,P85の表中の(2)の「事業主医局」が該当します。この「事業主医局」は,大企業が経営する病院等で,病院の名称の前に企業の名称がついているのでそれとわかります。例えば「日立総合病院」などのようにです。このような大企業は,ほとんどの場合,健康保険組合を組織しています。事業主医局では,その健康保険組合の組合員及びその被扶養者(いわば,その企業の従業員及びその家族)について,療養の給付を行うことになるのですが,この場合,健康保険組合が規約で定めた場合は,一部負担金を減額し,又はその支払いを要しないこととすることができます。マスターテキストP87〜88(2)の解説をご確認ください。
この事業主医局は,企業が開設している病院ですが,これに対して,健康保険組合が直接開設する病院があります。これが「健康保険組合直営病院」です。名称の前に「健康保険組合」の名称がついていますのでわかります。例えば『パナソニック健康保険組合松下記念病院』などのようにです。この「健康保険組合直営病院」は,原則一部負担金を徴収しないこととしていますが,規約で定めるところにより,法定の一部負担金の範囲内において一部負担金を支払わせることもできます。
条文では,事業主医局は,「保険者(健康保険組合)が指定する病院等」と,また,健康保険組合直営病院は,「健康保険組合である保険者が開設する病院等」と規定しており,「指定」と「開設」の語句の違いにより見分けることができます。事業主医局と健康保険組合直営病院については,板書ノート2のP40にイメージ図を掲載していますので,参考にみてください。
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