健康保険法
第36条 被保険者資格の喪失 特別支給の老齢厚生年金の受給権者
Q:質問内容
マスターテキストP41「通達7」に「特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって,退職後継続して再雇用される者について,使用関係がいったん中断したものとみなし,同日において被保険者資格の喪失及び取得が生じたものとして扱うことができる」とありますが,中断したものとみなすことによって被保険者にメリットがあるのですか。
A:お答えします
本来,退職した後引き続き再雇用等で1日の空白もなく勤務している場合は,被保険者の資格の喪失はしないことになります。(実態として,被保険者の資格の取得及び喪失は発生していませんので。)ただし,定年退職後の再雇用のような場合は,賃金が大幅に下がることがあります。
例えば,定年前の賃金が50万円であった被保険者が定年後の再雇用時に20万円に賃金が下がったとすると,随時改定の対象になりますが,標準報酬月額が20万円となるのは,4カ月後です。ということは3カ月間,賃金は20万円ですが,50万円相当の保険料が徴収されることになります。また,定年退職ということであれば60歳以上ということですから,在職老齢年金が支給されることになりますが,3カ月間の標準報酬月額が50万円であればその間の総報酬月額相当額は高いままですから,年金の支給停止額が大きくなったり,全額停止になってしまいます。
60歳以上の退職後の再雇用のような場合は,老齢厚生年金の受給権が発生していることを条件に,退職時にいったん被保険者の資格を喪失し,同日に被保険者の資格の取得をしてあげることによって,その資格取得時に標準報酬月額を20万円として決定することができます。つまり,随時改定ではなく,資格取得時決定をすることによって,定年退職の翌月からすぐに標準報酬月額を20万円に下げることができることになります。
なお,この取扱いは,従来は「定年退職」の場合に限り適用していましたが,平成22年の改正により,特別支給の老齢厚生年金の受給権者である被保険者であって,退職後継続して再雇用される者であれば,定年退職であるか否かを問わず適用することとされました。
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